交通事故に遭ったとき、加害者が無保険のケースがありますが、その場合、相手の保険会社が示談交渉を代行しないので、さまざまな問題が発生する可能性があります。
今回は、無保険の方に対する損害賠償請求の方法と注意点を、弁護士が解説いたします。
このページの目次
1.加害者が無保険の場合の問題点
一般的に、交通事故で加害者が「無保険」という場合、相手が「任意保険」に加入していない状態を意味します。
自賠責保険には加入していても、任意保険に加入していなければ「無保険」です。
実際に公道上に走行している車の2割程度は無保険車と考えられているので、交通事故にあった場合、相手が無保険であるリスクも相応にあります。
相手が無保険の場合、以下のような問題が発生する可能性が高いです。
- 加害者と連絡が取れない
- 示談がスムーズに進まない
- 示談しても支払いが行われない
2.相手が無保険の場合の対処方法
2-1.相手と連絡が取れない場合
相手が無保険で連絡が取れない場合には、内容証明郵便を使って相手に損害賠償金の請求書を送付しましょう。これにより、相手の態度が改まり、示談交渉を進めていける可能性があります。
2-2.示談がスムーズに進まない場合
相手が無保険の場合には、特に被害者自身が損害賠償金の計算方法などについて、調べて知識を持っておくことが大切です。相手も自分も素人で知識が無い状態では、どのようにして賠償金額を決定して良いかがわからず、いつまでも示談が進まなくなってしまうからです。
2-3.示談しても支払いが行われない場合
示談が成立したのに相手が支払いをしない場合には、訴訟等の法的な手段を用いて損害賠償請求の手続きを進める必要があります。
裁判で判決が出ても従わない場合には、相手の資産や給料などに対して強制執行を行い、取り立てを進めます。
2-4.自賠責保険への請求、政府保障事業の手続きを行う
相手が無保険の場合に自賠責保険金を受け取るためには、被害者が加害者の自賠責保険に対して被害者請求を行う必要があります。
相手が自賠責保険にすら加入していなければ、「政府保障事業」という制度を利用して、自賠責基準による補償を受けましょう。
被害者自身が加入している自動車保険の人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険もきちんと請求し、受け取るべきです。
交通事故の加害者が無保険の場合、一般的な任意保険の対応事案以上に被害者がさまざまな対応に追われるものです。何から手をつけて良いかわからない場合、専門家がアドバイスをいたしますので、お気軽にご相談下さい。